2021 成人の日 MESSAGE MOVIE

全国各地で成人式の延期や中止が相次いた今年。
「どの振袖を着るか」ではなく「振袖を着るか着ないか」を悩んだ新成人の方はとても多かったろうと思います。

「大人への門出の時に、私は何を着るか」

これは決して今年だけの問いではなく、新しい時代を生きる新成人たちには、
大人になる証として、一番自分らしいと思える、心から好きだと言える装いを選んで欲しい。

その想いに変えて、次の未来を担う新成人たちへ贈るゆえんからのメッセージムービーです。
ぜひ沢山の方々にご覧いただけますと幸いです。

振袖ゆえん by KAPUKI

Creative director, Photo & Movie HIRO KIMURA
Editorial director & Design NISHIOKA PENCIL
Copy & Narration writing NANAKO IRIE
Fashion director, Casting director, Narrator & Model KOZUE AKIMOTO
Model REI KADOTA
Hair TETSU
Make-up director KAORI
Make-up (REI) TATSUYA KANEKO (RMK)
Make-up (KOZUE) YOUSUKE TOYODA
Nail JOLI
Stylist REIKO KOSHIZUKA
Kimono-dresser ERIKO OTAKE
Movement adviser (REI) RIN HANAYAGI
Assistant director & Movie editor KIE MURAI
Production manager CHIAKI FUJII

秋元梢さん x 門田怜さん 対談INTERVIEW

—今回の共演は梢さんが怜さんをキャスティグされたところから始まりました。まずキャスティングされた理由とは?

秋元梢(以下K):門田怜さんの事は人伝いに、デビュー当時の私に似ていると言われている子がいるよと聞いていたので、存在は知っていました。
そこから私のSNSへリアクションしてくれているのに気付いたり…
たまたま今回のゆえんのキャスティングをKAPUKI店主のレイコさんに相談される少し前に、別のお仕事でいろんなモデルさんの資料を見ていた時に怜さんの名前も見つけて、あ、この子をゆえんの撮影に呼びたいなと。

「万人に好かれなくてもいい」

—ゆえんのイメージに合いそうだと思った?

K:そうですね、私自身もいわゆる“一般ウケ”はしないというか(笑)、万人に好かれるタイプのモデルではないなと思うんですが、それで良い、それが私だと思っているし、ゆえんの、『運命を感じないなら、着ないでほしい。』というブランドメッセージもそうですよね。なので、怜さんの内面はまだ知らなかったけど、顔つきや佇まいはぴったりなんじゃないかと思いました。

 

—怜さんは元々梢さんのファンだったそうですが、どんなところに惹かれていたのでしょうか?

門田怜(以下R):まず目にした時に、ハッとするというか、心を射抜かれるような存在感が好きで。それから私もモデルとしては背が高い方ではないのですが、海外では180cm超えるモデルさんも多い中で、梢さんは小柄でもこれだけ世界を相手に活躍されているというのが、私にとって希望のような存在でした。

「チャンスを掴むセンスと判断」

—今回のオファーが来た時は?

R:実は最初はスケジュールがNGだったんです。でもマネージャーさんから電話がきた時に、「梢さんが…」と言われたので、「どの梢さん??秋元の?梢さん?」と仰天して(笑)、絶対やりたいです、と言って調整してもらいました。このご縁とチャンスを逃してはいけないなと。

K:そういうチャンスを掴むセンスというか判断って、すごく大事ですよね。私も、正式にお仕事を始める前、大学1年生の時にモデルを頼まれたことがあったんです。私としてはどうしても受けたい撮影で。でも大学の先生に伝えたら、「その日試験だから、単位落としてもいいんだったら撮影行けばいいよ」と。私はそこで、「上等だよ」くらいの気持ちになって(笑)試験には行かずに撮影に行きました。選択を迫られた時、結局私が選んだのはモデルというお仕事だったということだし、そういう選択するのが自分なんだと思いました。
だから怜さんにとっての人生の分かれ道のような瞬間を、今目撃しているというのはすごく不思議な気持ちもあるし、嬉しいなと思いますね。

 

—今回の撮影について、印象に残っていることを教えてください。

R:初めに思い浮かぶのは…とにかく梢さんが優しかった!

K:もっと言って(笑)

R:(笑)カイロやあったかいお茶を渡してくれたりだとか。もちろんスタッフの皆さんも優しくしてくださるんですけど、モデル側だからこそわかる気遣いをたくさん感じて。

 

—緊張はしなかった?

R:緊張というよりは、高揚感でした。寒かったですが、気持ちは「うおーっ」て燃えているような。

 

—梢さんはいかがでしたか?

K:私はそもそも普段一人での仕事が多くて、誰かと一緒に出ることが少ないんですよね。ましてや自分でモデルさんをキャスティングしたり、さらに共演するということ自体が新鮮でした。あとは「初心に帰る」というのに近い感覚もあったかもしれない。撮影中の怜さんの反応だとか、私の撮影中に動画を撮って学び取ろうとしている姿とかを見ていると、始めの頃の自分を思い出して、私もいつの間にか先輩になってきたんだなと。それも普段にはない発見でした。
撮影中の怜さんを見ていると、最初のカットと、後半に撮ったデコトラが出てくるカットでは全く着物の見せ方が変わっていた。撮影の短い時間でも、人ってこんなに変化したり成長したりするんだなと、すごく面白い経験でもありました。

「一度きりではなく、形を変えて着続ける振袖」

—撮影の時に着用した振袖について

K:せっかく共演するのであればと、対になるように蝶々の着物を色違いで着ることになりました。怜さんが着ているのは白の蝶々の振袖。私が着たのは白を黒く染めて、袖も短く仕立て直したものなんです。そうやって振袖は作り変えて着続けられるというのも、着物の奥深さであり面白いところですよね。
以前レイコさんから、ゆえんを立ち上げたのは、「娘が成人式を迎える時に、着せたいと思える振袖がなかったから」と聞いた時、私もすごく共感したんです。成人式になると、みんな同じようなものを着て、同じようなスタイリングにする。正直、着る意味あるのかな?と思ってしまう。着るものって自分を表現するものだし、特に着物は普段なかなか着るものではないから、一層本当に自分の着たいものを自分で選べばいいのに、と思います。だからゆえんの、主張のあるデザインや着こなしには共感もするし、一度きりではなくて先々でも形を変えて着ていこう、という想いはさらに素敵だと思います。

R:私も、自分の成人式に着たいものって本当にあるのかな?と思っていました。無難で皆が同じように見えるものか、または派手でちょっと品がないものか…世の中にはそういうものが多い気がしてしまって。振袖は安いものではないので、ちゃんと好きと思えないものを選ぶのはいやですよね。なので、ゆえんの振袖を見たときは衝撃を受けました。自分の好みに合っていたのもありますが、着こなしも色々楽しめる。洋服みたいにコーディネートもできる。なんでみんなこれにしないんだろうって…

レイコ:それはね、一般ウケはしないからよ〜(笑)

一同:(笑)

K:着物や和の伝統の世界って、ルールはルールとしてあって、破ってはいけないことはもちろんある。個性や自己主張も、人が不快になることはするべきではないと私は思っています。でもルールを守る中でも、人を不快にさせないように気遣う中でも、表現ってもっとできるはずですよね。今回のゆえんのスタイリングにも、エナメルの足袋ブーツだったり、帯ベルトだったり、面白い小物の合わせ方も出てきます。王道から始めるのもいいし、徐々にそういうアレンジで遊んでいく、というのもいいですよね。
私は成人式の時、かなり派手な黄色の振袖を着たんですよ。

一同:すごい(笑)

K:せっかく特別な日なんだから、「やっちゃえ」くらいな気持ちで、特別な装いを楽しめたらいいんじゃないかなと思います。怜さんや、これから成人を迎える人は幸せだよね!ゆえんのような選択肢があるんだから!

R:本当ですよね(笑)

 

—ゆえんやKAPUKIの思想について

K:ゆえんはビジュアルも強いですが、キャッチコピーや動画につけた言葉なんかも、わりと世間に対して物申すというか、反骨精神を感じるメッセージですよね。私としては、どれも「分かる分かる」という感じ。だって人がどうこうとか、関係ないもん(笑)

一同:(笑)

「惰性で選ぶのではなくて、“惚れる”」

—怜さんはゆえんやKAPUKIのことを知ってましたか?

R:実は東京に来たばっかりの頃に、中目黒を歩いて「ここがあのナカメグロか…」と思っていて(笑)、その時に川沿いに素敵な着物屋さんがあるな〜って見ていたんです。で、先日またこのあたりに来たら、あれ?このお店、KAPUKIだったんだ!と気づきました(笑)びっくり。

K:引き寄せの法則だね。

R:まさに運命ですよね。ゆえんは、一言でいうなら“伝統と革新”というイメージ。伝統的なものも大事にしているけど、古びた伝統ではなくて、そこに思い切り今っぽい新しさもある。惰性で選ぶのではなくて、“惚れる”着物だと思います。着たいデザインがあるというのももちろんだけど、面白い組み合わせにも挑めるっていう、挑戦的で楽しいブランドだと思います。

 

—未来に向けて、二十歳の自分に向けてメッセージを

R:コロナという状況もあるので、私自身にとってもみんなにとっても、希望のようなものが自分の中にちゃんとある、という状態であれたらと思いますね。特に、私は必ず何かを追いかけていないといけない人間かなと思います。二十歳の自分には、ぼーっと惰性で毎日を過ごすなよ、と言いたい(笑)仕事に慣れてきて、家に帰って寝て、また流れで仕事をして、という日々にはなりたくない。日本の世の中って、大人になっていくと就職して結婚して子供を産んで主婦になって同じ毎日を繰り返すというのが幸せ、という風潮がまだありますよね。そういう生活が良いとか悪いとかではなくて、私は自分の生活も自分の中身も常にアップデートしながら生きていきたい。いつも新しい夢を持って、挑戦をして、挫折もしていきたい。つまらない大人になりたくないなって、思います。

 

—梢さんから、未来に向けて

K:今自分が33歳になって、周りを見回してみると、仕事で出会う年上の女性たちが本当に楽しそうなんですよ。レイコさんも含めて。みんな40歳50歳60歳になっても、女ってこれからよ〜って笑ってる。そういう素敵なお手本たちを見ていると、良い意味で、自分は一体どうなっちゃうんだろう?って楽しみになっちゃいますよね。老いたくない、という気持ちもあるかもしれないけれど、その時その時の自分を受け止めていきたいなと思います。年齢や、変化する自分にあらがわない。そうやって生きていった先にどんな自分が待っているのかなと、楽しみだなと思いますね。

 

—二十歳を迎える皆さんに向けてメッセージを

K:私自身は、夢を掲げたり、誰かに憧れて生きてきたタイプじゃないんですよね。小さい頃からわりとアンチテーゼで生きてきたんだと思います。誰かや何かを“憧れ”と言ってしまったら、それを超えられないような感覚になる。だから自分が動いて、選択をして、自分なりの道を見つけていくべきかなと思っています。そしてその判断を誤らないように、本当に味方になってくれる人、信頼できる人を見つけていってほしいなと思います。自分のことはもちろんですが、大切にするものの選択を間違えないようにしていくことが大事かなと思います。私もこれまでしてきた選択が、今回のゆえんのお仕事や、見本と呼びたいような素敵な人たちとの出会いに繋がっていると思うし、そういう自分なりの選択を積み重ねていくことが人生を作っていくんだと思います。

(終)

秋元 梢(あきもと・こずえ)/モデル

1987年生まれ。ストリートからモードまで幅広いジャンルで活躍。唯一無二の存在感で国内外より人気を集め、アジアを代表するモデルとして注目を浴びている。

 

門田 怜(かどた・れい)/モデル

2003年生まれ。2019年のパリコレクションにて単独でオーディションに参加、ドイツのジュエリーブランドのショーへ出演を果たす。無垢な透明感と意思の強さを感じる佇まいで、世界で活躍するモデルを目指し活動中。

 

振袖ゆえんby KAPUKI

東京・中目黒の着物屋KAPUKIが手がける振袖ブランド「ゆえん」。2018年にコレクションをスタートし、黒紋付や色無地の振袖など、現代の二十歳の感性に響くデザインでありながら、年齢を重ねれば染めや仕立て変えをして、生涯着続けられる振袖を提案している。

furisode-yuen.jp

 

インタビュー/文 イリエナナコ